カート
ユーザー
グループ

革製品を販売しているショップや、革を販売しているショップなどでよく「ヌメ革」という言葉が使われています。
しかし、そのほとんどは間違った意味で「ヌメ革」という言葉を使用しています。
ヌメ革の本来の意味は
「ピット層を用いて植物タンニンで鞣(なめ)した革」です。

ピット層鞣しのヌメ革


革の販売サイトなどでは「クロム鞣し」か「タンニン鞣し」かまでは記載してありますが、
「ピット層鞣し」か「たいこ鞣し」かまで記載しているところはほとんどありません。
革販売サイトの中には「タンニン鞣し」=「ヌメ革」と記載しているところもありますが、
おそらく、そのほとんどは「たいこを用いたタンニン鞣しの革」であり、本当の意味でのヌメ革ではありません。

現在、ほとんどの革製造業者は「ピット層」ではなく「たいこ」を用いて鞣しをおこなっています。
国内でピット層を用いて本当のヌメ革を製造している業者は数社しかありません。

そして、この「たいこ鞣し」と「ピット層鞣し」には大きな違いがあります。


契約タンナーのピット層



鞣しというのは革にタンニンを染み込ませる工程のことです。
その鞣しの手法として、たいこ鞣しとピット層鞣しがあります。

ピット層鞣しは大きなプールにタンニンを貯めて、その中に革を漬け込むことで、
革にタンニンを染み込ませていきます。
ピット層鞣しの場合はタンニンが自然に染み込んでいくのを待つ必要があるため、とても時間がかかります
季節や気温などによっても変わってきますが、大体1カ月ほどの時間がかかります。

それに対して、たいこ鞣しの場合はたいこと呼ばれる大きなタルのようなものの中に、革とタンニンを入れて、ぐるぐる回します。
こうすることで、革にタンニンが早く浸透します。約2日ほどです。


契約タンナーのたいこ




しかし、たいこ鞣しの場合は革に様々な負荷がかかるため、繊維の閉まり具合がピット層鞣しと比較すると悪くなります。
繊維の密度が変わってくることで、染色したときの色の付き方や、コバ磨きをした時の仕上がり具合に影響が出てきます。
また、タンニンの染み込み具合もピット層とたいこでは違います。
そして、タンニンの染み込み具合は革の経年変化に影響してきます。
ピット層鞣しの場合は革に負担をかけることなくタンニンをしっかりと染み込ませるため、
きれいに経年変化し、コバなどもきれいに仕上げることができると言われています。
ピット層鞣しの革は製造に時間がかかるため、価格も高価になります。

和乃革では、今では少なくなってしまった国内のピット層鞣しのタンナーが製造した本物のヌメ革を販売しています。

ページトップ